皆神山は粘性の大きい(流れにくい)性質の溶岩
が頭に土砂を乗せたまま、ゆっくりと上昇してでき
た火山である。このような火山を溶岩円頂丘という。
この皆神山を有名にしているものが2つある。
一つは先ほどの地下壕である。もう一つは1966年頃
をピークに、皆神山付近を震源にして発生した松代
群発地震である。
松代で掘られていた地下壕は全部で3カ所で
(皆神山、象山、舞鶴山の地下)、このうち舞鶴山
の地下壕を利用して、日本で最も大規模の地震観測
施設が1947年に設置された。長さ100mのひずみ地
震計や水管傾斜計、日本唯一の世界標準地震計、そ
の他多数の地震計が地下に置かれ24時間観測を続
けている。また群列地震観測システムと呼ばれる、
ここだけで世界中の震源を決定できるシステムが構
築されている。
写真(←) 舞鶴山地下壕(大本営予定坑)の様子
この最先端観測技術が装着された松代で群発地震
が発生したのは妙な因縁といえる。群発地震はこれ
までに70万回を超え、めっきり減ったが、現在もま
だ続いている。この地震は大量の水が吹き出たこと
が特徴で、地下のマグマから絞り出た水が群発地震
を起こしたらしい。
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