横河川流域には、川と平行に、東側から横河川変成岩、蛇紋岩、横河川累層が帯状に分布す
る。横河累層の最下部に近いたなこば粘板岩層は蛇紋岩と断層関係で接し、時代は未詳だった
が、最近になってこの地層から放散虫の化石が発見され、新生代 第三紀 中新世であることが
確定した。
写真は中の沢と菅の沢の合流部から100m中の沢を登った地点で撮影したたなこば粘板岩層
ふつうの粘板岩は、色は黒くぺらぺらと薄くはがれるような性質を持つが、ここの粘板岩は著
しい圧砕作用と珪化作用を被り、色は乳白色で、方状に割れる。
<参考文献>
諏訪教育会編(1975)諏訪の自然誌 地質編.諏訪教育会.
降旗和夫編(2001)改訂 長野県 地学のガイド.コロナ社
公文富士夫・佐藤玲子・小坂共栄(2001)長野県諏訪湖北方の新第三系横河川累層の中新世
放散虫化石.信州大学理学部紀要 第25巻 第1号