初谷(しょや)中生層と内山断層
初谷(しょや)中生層は、内山峡の滑津川に沿って、相立の東方より、初谷付近まで5kmにわたっ て幅500mの細長い分布をする中生代の地層である。この地層は黒色粘板岩や砂岩などからなり、数m 規模の褶曲を繰り返している。初谷鉱泉の入り口付近の粘板岩中から三角貝・二枚貝・腕足類などの 化石を産する。この地層の北縁は内山断層をはさんで新生代第三紀の駒込層と接し、南縁は同じく第 三紀の内山層に不整合で覆われている。写真上は滑津川で見られる初谷中生層の背斜構造。
 (左写真)  初谷中生層から産出  する化石。左は2枚  貝、右は腕足類


(左写真)  内山断層は、初谷中生層と新生代 の駒込層とを隔てる断層で、初谷鉱 泉のすぐ下流の河床付近で断層面を 観察できる。  左の写真のうち上は初谷鉱泉で、 下は黒田付近で観察される内山断層 断層は北落ちの正断層で、上盤側 が駒込層の緑色凝灰岩や砂泥互層、 下盤側が初谷中生層の頁岩となって いる。 上盤側の駒込層に比べ下盤側の初 谷中生層が著しく破砕されている。  なお、この断層は関東山地の北縁 を走る中央構造線の延長と考えられ 新生代以降の中央構造線の活動を知 る上で重要な断層といえる。 (矢印の間が内山断層) <参考文献> 長野県の地学Ⅲ (長野県地学会)   (宮坂 晃)

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