上田盆地は中央部を千曲川が流れ、千曲川の両側にはいくつかの段丘面が存在している。段丘面
は盆地内に流れ込んでいる河川の侵食・堆積作用のために平坦な面が形成されるのであるが、河川
が削ってできた侵食面と堆積によって形成された堆積面とがある。同じ時代に同じ原因によってで
きた面には同一の名前が与えられる。上田盆地では地形的に高い方から姫子沢面、栗林面、虚空蔵
面、深井面、染谷面、上田面などがある。(面の名称については、上の写真をクリックする)
一般には高い所の面ほど盆地の縁の基盤岩に近い位置に存在し、しかもできた時代が古い。従っ
て上田盆地では姫子沢面が一番古いということになる。
最も高位段丘面である姫小沢面は侵食面で、この下の栗林面は堆積面であるが、これらの面の上
には中期更新世に積もった広域テフラ(火山灰)であるクリスタルアッシュ(crystal ash) が乗っ
ているのでそれ以前にできた面である。これらより下位の面にはクリスタルアッシュは乗っていな
い。
虚空蔵面は古期上小湖成層の堆積面から成る。(上小湖成層の項参照)
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