和田峠の柘榴石(ガーネット)


  和田峠の柘榴石は霧ケ峰火山の活動に伴う和田峠 流紋岩(0.7~0.9Ma 前期更新世)の空隙に産出する。 この産状のため、結晶面が非常に美しく現れてい て、まるでカットした宝石の様で、柘榴石の結晶の 中、美しさでは日本有数といわれている。
  柘榴石は等軸晶系で和田峠の柘榴石はその結晶面のうち d(110)面及びn(211)面が現れている物が多い(( )は ミラーの指数)。  大きさは大きいものでは1cmを越える物もあるようだが、 めったにはみつからず2mm~3mmの物が多い様である。 化学組成は満ばん柘榴石Mn3Al2(SiO4)3~鉄ばん柘榴石 Fe3Al2(SiO4)3といわれている。
   産出地点は、旧国道142号線和田峠トンネルの(現在の 有料道路、新和田トンネルでは無いので注意!)和田村 側にあるビーナスラインの料金所手前の沢 で、古くから知られていたらしい。 川底に溜まっている砂をすくい上げ、丹念に椀がけ (砂等をお椀や皿などに入れ、水中で緩やかに回しなが ら、軽い粒子を流し、重い粒子を残す方法)をすれば、 黒又は黒に深紅がかった結晶面の輝きの鋭い柘榴石を 見つける事ができる。 良く見ると、あたりに点在している流紋岩を見ると その空隙に小さな柘榴石の結晶のついた物も発見できる。 しかし、現在この沢の道路に近い付近の乱掘が激しいら しく、採集禁止の立看板が立てられテープで囲われて いる。 <参考文献> 共立出版株式会社  日本の地質4 中部地方Ⅰ 草思社  鉱物採集 フィールドガイド  草下 英明 著 草思社  楽しい鉱物学         堀 秀道 著 丸善株式会社 フィールド版 鉱物図鑑  松原 聰 著 保育社 鉱物           益富 寿之助 著 (森嶋 光)
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